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映画監督の今村昌平さん死去
2006年05月30日18時33分
「楢山節考」と「うなぎ」でカンヌ国際映画祭の最高賞を2度獲得した映画監督の今村昌平(いまむら・しょうへい)さんが30日午後4時、死去した。79歳だった。
今村昌平さん
東京に生まれ、早稲田大学卒業後、51年に松竹に入社。54年に日活に移籍し、58年「盗まれた欲情」で監督デビューした。「果しなき欲望」「豚と軍艦」「にっぽん昆虫記」などで、民衆のたくましさや欲望、生々しい性や愛憎のぶつかり合いを濃密なリアリズムで描いた。
深沢七郎の小説を映画化した83年の「楢山節考」は、カンヌ映画祭で大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」を抑えてグランプリ(当時の最高賞)を獲得した。日本人の自然観、死生観を深く探る重厚な演出とオールロケによる自然描写が評価された。
97年の「うなぎ」は殺人者の人間性回復の物語を穏やかなトーンで語りパルムドールに。日本人監督として初めて同映画祭の最高賞を2度獲得した。長編は01年の「赤い橋の下のぬるい水」が、短編は03年のオムニバス「セプテンバー11」の中の1編が最後となった。
後進育成にも力を入れ、75年に横浜放送映画専門学院を設立。86年に「日本映画学校」と改称し、日本初の本格的な映画専門学校となった。
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